マンションオーナーの確定申告方法1(白色申告者)

毎年2月16日~3月15日の間に、前年度(昨年の1月~12月)の分の確定申告書類を税務署に提出します。

確定申告の方法は3つ

・ネットで書類を作成後、印刷して、税務署に郵送もしくは持参する。
・ネットで書類を作成し、そのままデータを送信する。
・直接税務署に行って、一から作成してそのまま提出する。

どの方法が自分に合っているかは、下の説明を見て決めていただくと良いと思います。

ネットで書類を作成し郵送か持参

一番おすすめの方法です。パソコンかスマートフォンがあれば書類を作成できます。最後、印刷が必要になりますが、最近はコンビニなどで印刷できるので大きな問題にはならないでしょう。

ネットで書類を作成しデータ送信

この方法を「e-TAXを利用する」と言います。
・ICカードリードライタ
・マイナンバーカードを読み取れるスマートフォン
・税務署で発行されたID
・パスワード方式の届手完了通知
持っていない場合は、この方法は選択できません。

税務署に行って作成

必要な情報をもって税務署に行き、一から書類を仕上げていく方法です。
確定申告の時期は税務署では対応しきれないので、特設会場を用意している税務署が多いです。付近のショッピングモールの一部が、確定申告の会場になっていることもあります。会場にはたくさんの案内係の方がいてパソコンも用意されていて説明してくれるので、確定申告初心者の人は、この方法を選ぶことが多いのですが・・・。
問題は祝日のディズニーランド並みに混雑しているということです。
ですので、混雑全然大丈夫!という方は、この方法も良いかもしれません。

こちらでは ネットで書類を作成後、郵送か税務署に持参 のやり方を説明していきます。データ送信の方も基本的には同じですし、直接税務署に行く人は当日説明してもらえますからここでの説明は不要でしょう。

入力する前の準備

用意しておいた方がよい書類

・売買契約書
・全部事項証明書
・ローン返済計画表
・源泉徴収票

把握しておいた方がよい必要情報

・管理費修繕積立金
・固定資産税
・修繕費
・諸費用詳細
・その他経費詳細
・マイナンバー

入力画面まで進む

国税庁のホームページを開きます。

「国税電子申告・納税システム(e-TAX)」を 選択します。

申告・申請の「個人で電子申告をするには」を 選択します。

「確定申告書を作成する」を 選択します。

「作成開始」を 選択します。

「印刷して書面提出する」を 選択します。
(データ送信をする人は、ここで「e-TAXで提出する」を選ぶことになります。)

推奨環境などを確認したら「利用規約同意して次へ」を 選択します。

作成する申告書等(決算書・収支内訳書)と年分(昨年分)を選択します。
※昨年分しか表示されていません。本年は終わっていないけれど、もう12月だし早めに準備をしておくつもりで開いたとしても本年分はまだ作成できないのです。来年になると本年分も表示されていますので少し待っていましょう。練習のつもりで昨年分で進んでみても提出しなければ問題になりません。

「作成開始」を選択します。

「印刷して郵送等で提出する」
「白色申告書に添付する収支内訳書を作成する」
にチェックをして「入力終了(次へ)」を選択します。

「収支内訳書(不動産所得用)」を選択します。

収支内訳書を入力してこう。

収入金額を入力していく

賃貸料の文字のところが選択出来るようになっているので選択します。
全体的に緑色のページに変わりますので「新規に不動産所得の収入を入力する」を選択してください。更に別のページに変わります。

1~6までは下記の画像のように入力していきましょう。
※4~6はサブリースや一括借り上げなどをしている場合には不明な場合があります。不明なら空白で構いません。

7 貸付面積は、登記事項証明書に記載のある床面積(建物床面積)を記載しましょう。売買契約書にも記載されていますが、登記事項証明書に記載されている面積と違うことがよくあります。どちらを書いても問題ないようですが、一応は登記事項証明書の方が書くことになっていますので、そちらを参考にしましょう。

8 賃貸料は入力する場所が月額と年額とあります。年額の方に1年間で受け取った賃料合計を入力します。(月額は途中で家賃が変わるなどの理由があった場合に入力しますの 特にそのようなことが無かったのであれば空白で良いです。) サブリース契約をしている人はサブリース手数料を引いた後(実際に受け取れる家賃)で計算します。

9 礼金等には昨年に礼金、権利金、更新料を受け取っていたら入力する。

10 その他の収入には「名義書換料」としてもらった金額があれば入力します。「その他」のところには、賃借人からの光熱費や承諾料、頭金などの収入があれば書きます。 要は「返す必要のない収入」ということです。 敷金や保証金は受け取っていても「本来は返すもの」なので収入には計上しません。
なんだかの理由によって「返す必要が無くなった」場合は、その金額もその他に入力します。

11 本来、敷金や保証金は返すものですから、「収入」ではありません。預り金としてに記載しておくことになります。不明なら空白で結構です。

2件以上持っているのであれば「もう一件入力する」
確定申告する物件を全て入力し終わったのであれば「入力終了(次へ)」
を選択します。

下記のように入力された状態を確認したら「入力終了(次へ)」を選択します。

収支内訳書の収入金額のところに数字が入力されていることを確認します。

収入はこれで以上になりますので、次から経費を一つずつ入力していきます。

給料賃金

不動産所得のために従業員を雇っていて、給料を払っている場合に入力します。無ければ空白で進みます。

減価償却費

減価償却費を簡単に説明すると、物件価格という大きな金額を1年目で一気に経費計上してしまっては、1年目の経費がすごい高くなる!けれども2年目の経費が少ない…。となってしまうので何年間にわけて経費で申請しましょう。というものです。「減価償却費」という文字を選択します。内訳のページになりますので「新規に減価償資産を入力する」を選択します。

1 2007年以降に取得した不動産は“定額法”が基本となっているので 「建物・車両・機械・備品等(定額法)」を選択します。

2 「建物及びその付属設備」を選択します。

3 物件の名前を入力します。

4  全部事項証明書に記載があるので入力します。

5 全部事項証明書に記載があるので入力します。

6 取得価格は少し注意が必要です。
減価償却の対象は建物部分のみで、土地は劣化しないので減価償却できません。そして建物部分も、躯体と設備の部分はそれぞれ減価償却の年数が違うので減価償却をする時は、下記の3つに分けなくてはなりません。 

・躯体(建物)部分の価格 
・設備(建物)部分の価格 
・土地部分の価格

売買契約書に分けて記載されていたら簡単ですが、記載が無い場合は下記の方法で計算をしていきます。

・固定資産税評価額を使って計算する。
・消費税から建物価格を計算する。

【消費税から建物価格を計算する方法はこちら】

今回の物件を業者(個人ではない)から購入している場合は消費税がかかります。
(※個人から購入している場合は、消費税がかからないので、この方法は諦めてください。)
消費税は建物部分にはかかるのですが、土地にはかからないのです。
記載されている消費税は建物部分だけに計算されていることになります。
そのため消費税から割り戻せば、でてきた金額は建物部分の価格、ということになるのです。

計算例
マンション価格3000万円(うち消費税が200万円)と書かれていた場合。
消費税200万円÷10%(消費税率)をすると2000万円になります。
つまり建物価格は2000万円ということです。

【固定資産税評価額を使って計算する方法はこちら】

固定資産税評価額から、土地と建物の割合を知ることができます。
毎年4月~5月に各市町村や都主税局から届く「固定資産税納税通知書・課税明細書」に記載がされています。
手元に無いという人は役所や都税事務所で「固定資産公課証明書」をもらいましょう。これなどの書類に土地と建物、それぞれの評価額が記載されていますのでその割合で物件価格を分ければ良いのです。

計算例
売買契約書には売買金額3000万円と記載あり。
固定資産税評価額は土地の金額は100万円、建物の金額は300万円だとしたら
売買金額3000万円×建物評価額300万円÷(土地100万円+建物300万円)
これで計算すると2250万円となります。つまり建物部分は2250万円ということになります。

これで建物の価格がわかりましたね。
土地の価格は減価償却されないので不要です。
建物の価格がわかったので入力していきたいのですが、ここで更に分けなくてはいけないのが「躯体」と「設備」です。
躯体とは…床とか壁など建物自体のこと。
設備とは…最初から付いている電気設備、給排水設備、ガス設備、ボイラー設備などのこと。
躯体と設備はどちらも減価償却出来るのですが、何年で経費計上するかが違うので分けて入力する必要があります。下記の方法で調べましょう。
・「譲渡対価証明書」などで躯体と設備の金額を確認。
・不動産会社に聞く。
・一般的な割合で分けてしまう。(躯体70%、設備30%が一般的)
建物の躯体と設備の金額までわかったら、ここでは建物(躯体)の部分の金額を入力しましょう。
一通り入力し終わったあとに「もう一件入力する」を選んで設備の入力をします。

7 前年末償却残高というのは、まだ減価償却していない金額のことです。
例えば、建物部分の価格が2100万円で、これを47年に分けて経費計上する場合、既に2年確定申告をしている人は残り経費計上出来るのは45年分です。
この経費計上出来ていない(減価償却出来ていない)金額が、前年未償却残高です。
新築中古問わず、購入して初めての確定申告の場合は減価償却を一度もしていないので入力不要です。何回か確定申告をしている場合は、昨年の書類の未償却残高が記載されているので、それを確認しましょう。

8 何年で経費計上(減価償却)していくかを入力します。

構造、新築中古などによって年数が違います。
構造については、
今の新築マンションは、主に鉄筋コンクリートで47年。
設備の部分は15年。
と考えて良いですが、本当に鉄筋コンクリートなのか不安であれば“全部事項証明書”に構造が記載されているので見てみましょう。
年数も上記の通り入力して構いませんが、調べることもできます。

「耐用年数を確認する」を選択します。

「建物、建物付属設備の耐用年数」を選択します。

一覧が表示されたと思いますが、「鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの」の中の「住宅用のもの」を見ると「47」と記載されています。

設備は「建物付属設備」の中に記載があります。
少しわかりずらいですが、マンションの設備に該当する可能性があるものは、全て「15」と記載されていますので設備の耐用年数は「15年」で良いでしょう。

中古で購入している場合は注意が必要です。
上記の数字をそのまま記載するのではなく、耐用年数から築年数を引きます。 そこに築年数の20%をたして出た数字が中古の耐用年数になります。

計算例
鉄筋コンクリート築10年のマンションを中古で購入。 
47年―10年+(10年×20%)=39年 
ここの耐用年数は39年と入力することになります。 
(端数は切り捨てです) 

もしも築年数が「47年以上」の場合は、“0”になってしまうので、シンプルに耐用年数の20%で計算します。

計算例
鉄筋コンクリート築50年のマンションを中古で購入。 
鉄筋コンクリートだったら47年の20%なので9.4年ですから「9」年と入力します。(端数切捨て)

9 改定取得価格
空白で良いです。

10 本年中の償却期間 
本年中に賃貸に出していた月数を入力します。
1年間ずっと貸していた人は「12」と入力します。
3月から賃貸開始したのであれば10と入力。 
10月から賃貸開始したなら3と入力します。 
特殊なことが無ければ取得した月が開始月です。

11 事業専用(貸付)割合
 →100%

12 摘要
空白で良いです。

これで減価償却が全て入力されたと思います。

不動産の減価償却は躯体と設備のそれぞれの減価償却が必要なので、少なくとも2つ入力が必要になります。
まだ1つしか入力していない、もしくは物件を2つ所有している等で引き続き入力が必要な場合は「もう一件入力する」を選択します。
入力方法は躯体も設備も同じですが、耐用年数だけ違うので注意してください。

全て入力が終わったら「入力終了(次へ)」を選択します。
下記のように、これまで入力した減価償却の情報が一覧で表示されていることを確認して、「入力終了(次へ)」を選択します。

収支内訳書に戻ります。
減価償却のところに金額が入力されたと思います。

貸倒金

家賃を滞納されている場合に入力しますので 基本的には空白です。 

地代家賃

基本的には空白です。
借りた土地に建物を建て、それを賃貸に出している場合に、土地の賃料は自分で払うことになるので、その場合に入力します。

借入金利子

不動産をローンで購入した人は、銀行に払う利息を経費計上できます。 
本年中支払った利息分を経費にするのですが、注意が1つ。
建物価格分の利息は計上できますが、土地価格分の利息は計上できません。
それをふまえて、入力していきます。
借入金利子を押します。

金融機関分の借入金利子(必要経費算入額)の合計入力に入力していきます。

ローン返済計画表や返済シュミレーションなどという名前の書類があると思います。(今後のローンの返済状況が記載されている一覧です。)  
そこの「利息」の項目の金額を本年分合計するのですが、土地の分の利息は経費算入出来ないので、建物部分の利息のみ経費だけ入力します。

建物と土地の取得価格を入力した時に、割合を出したと思います。
その割合で利息も計算します。
利息合計額が10万円で建物が7割、土地3割だったら7万円だけ入力するということです。

入力終了(次へ)を押すと、借入金利子のところに入力した金額が反映されていると思います。

租税公課

固定資産税(毎年ある)
都市計画税(毎年ある)
登録免許税(購入・売却時のみ)
不動産取得税 (購入・売却時のみ)
契約書印紙代 (購入・売却時のみ)
が該当します。
本年中に支払ったものを合計して入力します。

損害保険料

火災保険料
地震保険料
昨年支払ったものがあれば、その合計を入力。
10年分など一気に支払っている場合には、その合計額ではなく、割って1年分だけ入力します。

修繕費

修繕積立基金(新築購入時に発生することがあり、修繕積立準備金や修繕積立一時金とも言います。)
管理基金 (新築購入時に発生することがある)
修繕費(業者に修繕を依頼したときに発生)
があれば入力します。

修繕費がある場合は、通常の減価償却、一括償却資産、少額減価償却資産、などありますので別途説明している「不動産のくわしい減価償却」を一度読んでください。

「支払先の住所」「支払先の氏名」「工事名又は資材の品名」をわかる範囲で入力。
「支払った月日」「支払金額」は必ず入力。
「左のうちの必要経費算入額」は基本的には「支払金額」と一緒です。

これでに「入力終了(次へ)」を入力します。

「左のうちの必要経費算入額」に入力した金額が収支内訳書に反映されています。

項目を入力できるようになっている箇所

決まりはありませんが、一般的には管理費・修繕積立金を入力していきます。 
項目には「管理費等」などと記載して、1年間で払った管理費・修繕積立金の合計を入力します。

「税理士等の報酬」「震災関連経費」はここでは空白で大丈夫です。

雑費

購入時の諸経費
振込手数料集金代行手数料(サブリース手数料は賃貸料のところで引いてしまってください)
広告費
仲介手数料旅費
交通費(今回の物件のために動いた交通費などは経費計上できます)
新聞図書費(勉強のために購入した本や経済紙なども経費計上できます)
セミナー等研修費
会議費
交際費(打ち合わせのお茶代など)
消耗品費(物件管理や確定申告のために購入したカメラ、PC、ソフト、文房具など 10万円未満のものが対象です。10万円以上だと減価償却費になりますので 別途説明している「不動産のくわしい減価償却」を一度読んでください。)
税理士報酬確定申告を税理士に頼むときなどの作成委託費用

不動産投資関係でかかった上記の費用は経費に出来ますので、合計して経費に入力します。

上記以外にも支払った費用があれば、経費計上して良いのか税務署に確認しましょう(さすがに載せきれませんので…;^_^A)

事業専従者

親族を雇っている場合に記載しますので、基本的には入力不要です。

土地を取得するために要した負債の利子の額

利息は建物部分のみ経費にすることができるので、土地部分の利息は経費で入力しませんでした。
「⑬項目の専従者控除前の所得金額(5-12)」ここが黒字(数字に△がついていない状態)の場合のみ、その金額分だけは土地部分の利息を経費計上して良いことになっています。

「⑬項目の専従者控除前の所得金額(5-12)」

押すと、先ほど利息等を入力した画面に行くと思います。
「土地を取得するために要した負債の利子の額」という部分に入力するのですが、「土地分の本年中の支払い利息」と「専従者控除前の所得金額の黒字額」 どちらか少ない方の金額を入力してください。

貸付不動産の保有状況

押すと数量などを入力できる画面に移動します。
マンション賃貸の場合であれば「建物」「一戸建以外」のところに所有している物件数を入力してください。

本年中における特殊事情・保証金等の運用状況の入力

特殊な事情が無ければ入力不要です。

これで収支内訳書が全て入力出来たと思いますので、「入力終了(次へ)」を選択します。
下記のように、反映されていることを確認したら更に 「入力終了(次へ)」を選択します。

「所得金額の確認」で「不動産」の 反映されていることを確認したら更に 「入力終了(次へ)」を選択します。

これで収支内訳書が完成です。

引き続き「マンションオーナーの確定申告方法2(白色申告者)」で氏名や住所を入力していきます。

次の次で「 マンションオーナーの確定申告方法3(白色申告者) 」で申告書を作成。

最後に「マンションオーナーの確定申告方法4(白色申告者)」で提出方法を学んでいきます。

4まで進めれば、今回の確定申告は完了します。
慣れれば簡単なので頑張っていきましょう!

関連記事

  1. マンションオーナーの確定申告方法1(青色申告者)

  2. 青色申告と白色申告

  3. 青色申告の申請方法

  4. 経費の種類と分け方

  5. 開業届について

  6. マンションオーナーの確定申告方法3(青色申告者)

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

アーカイブ